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COCONUTIST 2022・Summer

Philippines Report Vol.8
「常夏の国」フィリピンの人たちに聞く、夏休みの思い出

認定NPO法人アクセス 事務局長  野田 沙良(のだ さよ)さん


一年の平均気温が25℃くらいなので、フィリピンは「常夏の国」というイメージを持っている方も多いかもしれません。実はフィリピンにも季節があり、「夏」とよばれる時期があるって、ご存じでしたか?今回は、フィリピンの人々にとっての夏の風物詩や、夏の思い出をご紹介します!

 

フィリピンの夏といえば…

フィリピンには、日本の冬のような極端な寒さはありませんが、半袖では肌寒く感じるシーズンがあったり、雨期・乾季があったりと、日本とは違った季節があります。そんなフィリピンにとっての夏、つまり最も暑い季節は、4~5月です。夏の間はヒリヒリするような強い日差しが続き、35℃を超える日が多くなります。夏の前半は乾季のためほとんど雨が降りませんが、5月に入ると、午後にスコール(夕立)が降る日が増えていき、雨期へと移行していきます。


こんな風に日本とフィリピンでは、夏と呼ばれる時期が違うわけですが、「夏といえばコレ」というものは意外と共通しています。例えば、『全国各地でお祭りが開催される』『4~5月は子どもたちにとっての夏休み』『ホーリーウィークという大型連休があって家族で帰省する』『観光シーズンなのでビーチや避暑地に遊びに行く人が多い』…といった感じです。ブーゲンビリアなどの花・植物が美しく、マンゴーの旬でもあり、なんとなく自然も人もエネルギーがみなぎる季節でもあります。

 

アライアさん

 

アライサさんの思い出
「祖父母の家での忘れられない時間」

2010年の夏休みに、家族と親戚で遠く離れたビコール地方の祖父母を訪ねた時のことは本当に良い思い出です。普段会うことのない、いとこたちと楽しい時間を過ごしました。祖母がたくさんの料理を作ってくれ、祖父が野菜を植えている庭を案内してくれ、夜にはみんなで座って祖父母の話を聞きました。この一週間がずっと続けばいいのに…と思うほど、幸せな休暇でした。(農漁村ペレーズ地区在住)

 

アンドレアさん親子

 

アンドレアさんの思い出
母娘の幸せな時間

子どもの頃の夏休みの一番の思い出は、母親と過ごした充実した時間でした。母とカラオケを楽しんだり、母の仕事であるニンニクの皮むきを毎晩手伝ったりして、とても幸せでした。私自身が母になった今は、娘の夏休み中は、一緒にお風呂に入ったり、遊んだり、ご飯を食べたり、勉強を教えてあげたりと、母娘で過ごす時間をたくさん作るようにしています。コロナ前自由に外出ができていた頃は、教会に行った帰りに近所の公園やショッピングモールに立ち寄り、娘にいろんな環境を体験させるよう心掛けていました。毎日暮らしているコミュニティでは体験できないこと(ショッピングモールのエアコンの寒さや、エスカレーター)に驚いている姿がとてもかわいらしかったのを憶えています。(マニラ市トンド地区の都市スラム在住)

 

 


フィリピンの夏を彩るブーケンビリア


夏休みは「稼ぎ時」

アライサさんの場合、大学時代の夏休みにはバーベキューやパラミグという名前のスイーツ(ゼリー入りの甘くて冷たい飲み物)を売って、自分やきょうだいの学費をせっせと稼いでいたそうです。「厳しい経済状態にあった両親を助けることができ、大変だけど実りある夏休みだったと思う」と話します。フィリピンでは通常、学年度が3月終わりのため、4~5月の夏休み中には宿題がありません。また、休み明けの6月から新学年度が始まるということもあり、中学生以上の子どもたちの間では、夏休み中にアルバイトや家業の手伝いをして学費を稼ぐ姿がしばしばみられます。

 

サリサリストアの店番をする子どもたち


コロナ禍の夏休み

パンデミックが始まって以降、「子どもたちは原則として外出禁止」という期間が長く続いたため、ほとんどの子どもたちは夏の風物詩を満喫することができずにいます。PCR検査による陰性証明をとれば、遠方への観光旅行も可能になってきましたが、金銭的負担が大きくなかなか庶民には手が出ません。
アンドレアが暮らす都市スラムの子どもたちは昨年の夏休みをずっと家で過ごし、両親の手伝いやきょうだいの世話をしたり、自宅内で遊んだりして過ごしていたそうです。「サリサリストア」と呼ばれる小さな雑貨店を営む家庭では、子どもたちが店番をしている光景もしばしば。子どもに店を任せている間、お母さんは洗濯や赤ちゃんの世話をしたり、ほんの少し休憩したり。家族を大切にし、支え合って暮らすことを重んじるフィリピンの人々らしい一面がここにもありました。

 


【筆者プロフィール】

認定NPO法人アクセス 事務局長
野田 沙良(のだ さよ)

フィリピンで活動する国際協力団体アクセスで、「子どもに教育、女性に仕事」を柱とした活動に従事。フェアトレードのココナッツ殻雑貨などの生産・販売も。

https://access-jp.org

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