2年2ヶ月ぶりのフィリピン出張で、まず最初に訪問したのは南レイテのリマサワ島です。
リマサワ島は、昨年12月にフィリピンを襲ったスーパー台風「オデット」の被害が最も大きかった地域の一つで、島内にある6つの村の全1,554世帯中、全壊が1,128世帯 半壊が316世帯という悲惨な状況でした。しかし、レイテ島沖に浮かぶ小さな島であることから支援が届きにくい場所です。

今年1月、ココウェルではこの台風オデットで倒壊した家屋を再建するためのクラウドファンディングを立ち上げ、このリマサワ島と、同じく被害の大きかった南レイテ州のリバゴンの沿岸沿いの村を支援対象地域としました。

クラウドファンディングでは、おかげさまで多くの方々から応援いただき、120万円を超えるご支援をいただくことができました。また、同時に世界各地で途上国の支援活動をしているNPO法人SDGs Promise Japan（SPJ）からも300万円を超える協力をいただけることになり、このリマサワ島での家屋再建をNPO法人SPJとの協働プロジェクトとして動くことになりました。

以前よりココウェルが行なっているレイテ島での災害復興支援の活動を共にしているフランシス夫妻にリマサワ島に調査に入ってもらい、被害の大きい家屋を受益者として選定しました。今回のプロジェクトは”バヤニハン”というフィリピン社会でみられる伝統的相互扶助慣行を利用して、派遣する大工の指導の元で受益者同士が助け合いて家屋を再建するよう進めていましたが、12月以降も相次ぐ台風被害でレイテ内で大工の手配が難しい状況でした。特に4月にレイテ州バイバイ周辺を襲った台風「アガトン」による土砂崩れや洪水被害で、大工の派遣が難しくなっていました。

リマサワ島ではすでに再建のための資材はフランシスが主導して受益者に配布していましたが、大工の手配が遅れているため、再建が予定通りに進んでいないところもありました。今回フィリピンを訪問して、リマサワ市長とも会談し、再建のスピードを上げるためにフィリピンの陸軍から工員を手配してくれることになりました。

すでに5ヶ月近くが経過していますが、未だに仮の住まいやビニールの簡易な屋根で生活を余儀なくされている家族もまだまだたくさんいます。リマサワ市長の要請で陸軍から工員が来てくれれば、今月から来月にかけて家屋の再建が進むのではと期待しています。