ココナッツ専門店ココウェル

こんにちは。ココウェルのすずきです。今月より月1回、第二木曜日の午後はスタッフ全員で勉強会をすることになりました。

第一回目の3月11日はNPO法人ACCESS(アクセス)の事務局長、野田沙良さんをゲストにお招きして、アクセスさんの活動やフィリピンのお話などをオンラインで聞かせていただきました。

アクセスさんは、京都生まれの国際協力NGOです。前身がお菓子のシュークリームで有名な「タカラブネ」だったことは初めて知りました。

・子供に教育を
・女性に仕事を
・日本の若者に成長の場を

と3つの活動をされています。

フィリピンでは6人に1人の子供が、貧しさのため小学校を卒業できない現実があります。
きちんとした教育を受けられず、大人になっても安定した仕事を得ることができず、貧困は次の世代へと連鎖していく…この貧困の悪循環を断ち切るための第一歩として、子供には教育が、女性には仕事が必要となります。

フィリピンの農村部の人々はココナッツ農業や漁業などで生計を立てる家庭が多いそうですが、これは男性の仕事とされていて、天候によって収入は大きく左右されます。
安定した収入が得られないので、多くの女性が仕事があれば自分も働いて生活費や子供の教育費を稼ぎたいと考えています。ところが、農村部や小さな島などには女性が働ける仕事がありません。

そういった背景から、アクセスさんはフェアトレードによるココナッツ商品の生産、販売を通して女性たちに働くチャンスを届けようと活動されています。

野田さんの「フェアトレード」という言葉の説明がとても印象的でした。
私はフェアトレードって何?と聞かれたらいつも、「適正価格で商品を買うこと」とざっくりとしか答えられていませんでしたが、野田さんは「生産者さんが人間らしく暮らせる賃金を払うこと」と説明されました。

一般貿易(フェアトレードでないもの)で扱われている商品の価格と労賃の決め方は、
「この商品は〇〇〇円くらいなら多くの人が買う」という相場の値段を先に決めて、その値段から逆算し出せる労賃が決められます。大体はその労賃は非常に安く生産者の利益は非常に少なくなってしまいます。

一方、フェアトレードの価格と労賃の考え方は「この人に働いてほしい、この人が人間らしく暮らせるようにするためにはいくら払わなければいけないか。」というのを確認した上で、そこに送料や材料費、管理費、人件費などを足していき、商品の値段を決めるという発想をする傾向がある。ただし積み上げ式で商品の値段を決めると高すぎる場合もあるので、この考え方が全てに通用するわけではないが、「いくらで売れるか?」ではなく、「いくら払う必要があるか。」に重きをおくのがフェアトレードの特徴だと説明されました。

また、一般貿易では生産者と販売者の間には商社が入ることが多く、生産者の顔が見えづらくなり商品の質や納期が遅れるなど何か不具合があると別の取引先にすぐに切り替えやすい傾向がありますが、フェアトレードはその人たちとどう取引を継続させていくかを大切にする傾向があるので、生産者さんとの距離が近く、何か問題があっても生産者さんに寄り添い一緒に解決していく傾向があります。と説明されていました。

生産者さんの暮らしをきちんと気にかけてモノづくりや取引をし、そのうえでビジネスとして利益も出していく。そんな事業が増えていけばと思っています。とお話されていました。


 

ココウェルオンラインショップで販売しているココナッツの殻雑貨は、3人の女性生産者さんによって、1点1点手作りで作られています。

生産者さんが暮らしている村の様子を動画で見せていただきました。

マングローブが生える海辺から数分の、見渡す限りココナッツが生えているという場所で暮らしているそうです。
水道はほとんどの場所で通ってないので、井戸水を汲み上げて使っています。
洗濯機もないので、全て手洗いで洗っています。

暮らしぶりはとても質素ですが、殻雑貨の生産者になることで生活必需品を買うにも困るような暮らしから脱することができたそうで、子供たちにも教育を受けさせることができているそうです。

動画の中で野田さんが生産者さんにインタビューされていました。

Q、働いていてテンションが上がるのはどんな時?
A、大量の注文が入った時!

Q、働く中での苦労は?
A、注文がない時。

ということで、生産者にとっては注文が入らないというのは死活問題で、ココナッツの殻雑貨を通して生産者さんの生活を支えていることがとてもよく理解できました。

生産者さんの普段の様子や、製造工程を紹介した動画です↓

ココナッツの殻雑貨は、ココナッツの実を収穫し天日干しにしたコプラから作られています。
殻を磨く作業は粉塵がたくさん出るので、作業は屋外のあずまやで行っています。

磨く機械は専用のものはなく、ドリルの先端部分に円錐形の木の塊をつけ、そこに紙やすりを貼り付けて使っているそうです。
粗さのちがう紙やすりを使い分けることと、光沢剤などは一切使うことなく、何度も何度も磨くことで自然なツヤを出しでいるそうです。

ココナッツの殻は丈夫で軽く、なんといってもアイテムが一つあるだけで一気に南国感を演出できるので、宿泊施設や飲食店からもまとまったご注文をいただけることもあります。

ココウェル本社のキッチンやトイレでも、ソープディッシュやココナッツボウルなどを使用しています。
商品を販売するにあたって一通り商品知識などは知っていましたが、こうして改めて生産者さんの背景や製作現場などを勉強することでより知識が深まり、販売していく意味なども再確認することができました。

月に1度の勉強会の日は、皆さまには営業時間短縮によるご不便をおかけすることとなってしまいますが、スタッフ全員が勉強会を通してより一層知識を深めていければと思います。

第二回は4月8日(木)となります。
平日ですが、お電話窓口は15時までとなりますのでご了承くださいませ。

次回の学びも楽しみです。
またご報告させていただきます。

 

ココナッツ殻雑貨はオンラインショップでご覧いただけます♪

色んな種類があるので、ぜひお気に入りを見つけてくださいね。

(スタッフ:すずき