オーガニックコットンを広める理由

2022/11/11（金）

ココナッツ情報マガジン「ココナティスト」
COCONUTIST 2023・Winter

ココウェルと考える“SDGs”

オーガニックコットンを広める理由

「ココウェルと考える“SDGs”」公開インスタライブインタビュー。今回は、オーガニックコットンブランド専門店「メイド・イン・アース」を運営する前田剛さんをゲストにお招きしました。その一部をご紹介します。

interview:
株式会社チーム・オースリー代表取締役
NPO法人日本オーガニックコットン協会理事長

前田剛（まえだ　つよし）さん

1995年より純オーガニックコットン専門ブランド「メイド・イン・アース」をスタート。生活に密接にかかわるコットン素材のものづくりにこだわる。和綿を育てるプロジェクト、布ナプキンの普及活動なども手がける。2019年5月より日本オーガニックコットン協会の理事長に就任。

SDGsへの思いや企業としての取り組みを教えてください。

メイド・イン・アース前田さん：環境・経済・社会の3つの柱を立ててバランスよく達成しようとするいい目標ですよね。「SDGsウォッシュ」と揶揄されることもありますが、個人や組織が興味を持ってアクションを起こすことがまずは大切です。僕らは創業から27年、安心して心地よい生活ができる環境を残すために活動していますので、あえてSDGsを掲げずとも今まで通りでいいかなと思っています。

ココウェル代表水井：SDGsはチェックリストのように使うのがいいと思っていて。事業をする中でどうしても目が届かない分野が出てくるので、169のゴールと照らし合わせてできた・できていないをチェックして見直しています。

前田：道標でもあるし、整理ツールでもありますよね。自分達の活動がどこに当てはまるのか知って、事業をより良くしていくのに便利です。

長年オーガニックコットンを扱っておられますが、なぜ広がることが大切なのでしょうか。

前田：オーガニックは食から入られる方がほとんど。それはきっと生産者や地球環境のこと以上に、ご自身の身体の安全性や安心感を考えている人だと思います。衣服ってわかりづらいけど、オーガニックコットンを選ぶことでより安心安全な食生活に繋がるんですよ。

水井：どういうことか詳しく聞きたいです。

前田：実はコットン生産量の約8割は遺伝子組み換え。また収穫量の7割が綿の中にある種の重さで、綿として使えるのはほんのわずかなんです。そこで種を無駄にしないため、圧搾して綿実油を作り、揚げ物やお菓子の原料に使われています。さらに搾りかすは家畜の餌にして、食肉や乳製品として私たちの手元に届く。自分が好む・好まざるに関わらず、遺伝子組み換え食品を接種してしまう環境にあるんです。僕たちはオーガニックコットンの衣類を広めることで、間接的にでもそれらの割合を抑えていきたいと考えています。

オーガニックコットンを選ぶことは、安心安全な食生活に繋がるんですね。

水井：ココウェルがオーガニックにこだわるのは、生産者への思いが大きいから。自分の健康はもちろんですが、農薬や殺虫剤による健康被害があるので、オーガニックを選ぶことで作っている人の健康も守っていきたいんです。

前田：コットンも負担を減らすため枯葉剤が使われることがありますが、生産者や周囲に住む子どもへの健康被害が大きな問題になっています。オーガニックの衣類はハードルが高いと言われますが、例えば布ナプキンから始めるのも一つ。利用者には心地よさや体調の変化を感じてもらっていますし、初期コストはかかりますが、長い目で見ると家計の負担も減るはずです。

水井：できることから切り替えていきたいですね！